2009年7月28日火曜日

食物繊維の役割

食物繊維がダイエットに効果があるのは良く知られているが、食物繊維の本当の役割は実はあまりはっきりとは知られていない。

その昔、食物繊維は消化ずに体外に排出されるためいわば食品のカスとして無視されてきた。最近の食事の見直し特にダイエットブームは食物繊維の持つ大きな力に注目し始めてきた。

食物繊維は大きく分けて2種類あり不溶性食物繊維と水溶性食物繊維だ。これ以外の分類では野菜など植物由来の植物性食物繊維と蟹など甲殻類の殻に含まれるキトン等の動物性食物繊維がある。キトンなどは手術後の傷口を縫うなど医療にも応用されている。

普通の食物繊維と言っているのは、植物の細胞壁を構成するセルロースなど水に溶けない不溶性食物繊維を考えるのが一般的だ。

一方とアルギン酸、フコイダン、ラミナラン(以上はワカメ、コンブなどの褐藻類に含まれる。)、ポルフィラン(ノリに含まれる。)、寒天など細胞 問に存在し水に溶ける水溶性食物繊維がある。一般に水溶性食物繊維は粘膜のようにぬるぬる、ねばねばしたもので山芋オクラ の粘り成分やナマコ の表面のぬるぬる等もこの水溶性食物繊維に加えられる。

セルロースなどの不溶性食物繊維は水に溶けず消化もされない。腸内で水を含んで数倍から数十倍に体積を増やす。これが胃の中では滞留時間を長くし満腹感が 得られ約なる。ちょうにおくられては便も量を増やし柔らかくする。膨らんだ便は腸壁を刺激し腸の蠕動運動をうながし便通をよくする。便の腸内での滞留時間 を短くすることで毒素や過剰な糖分や脂肪などのエネルギーの吸収を防ぐことになる。いわば腸内のお掃除に効果があると言える。

水溶性食物繊維は、食品に含まれる脂肪やコレステロール胆汁酸、糖類、ミネラルをぬるぬるねばねばでを包み込み、腸での吸収を妨害しそのままその一部を体 外に排出する。この為肥満、糖尿病、高脂血症や心臓病の予防に直接的に効果がある。胆汁酸は肝臓で作られ脂肪を乳化して消化酵素の働きを助ける、胆汁酸を 作るためにはコレステロールを必要とする。胆汁酸を水溶性食物繊維が吸収することで間接的に血液中のコレステロールを低下させる効果がある。
また水を包み込んで便を柔らかくし、発酵して腸を刺激し便を出やすくする効果がある。

海藻 には、その乾燥重量の40~60%の食物繊維が含まれている。又キノコ 類、特に干しシイタケやきくらげは同様に乾燥重量の約50%が食物繊維と言われている、まさに食物繊維の塊だ。一日に必要な食物繊維量は20gから 25g、サラダなどの葉野菜の場合、食物繊維は2から3%くらいしか含まれておらず20gから25gの食物繊維量を摂取するためには1キロほどの野菜を食 べる必要がある。野菜にはビタミンも含まれるため積極的に食生活に取り入れたいが不足する食物繊維を補うためには海藻やキノコは最適な食べ物だ。

食物繊維のもう一つの働きは腸内で善玉菌の餌になり善玉菌を増やす事だ。

腸には100種類ほどの腸内細菌が、100兆個ほど住みついている。しかも、腸内細菌の総数はだいたいいつも一定なので、ビフィズス菌などの善玉菌(有益菌)の勢力が強くなると、有害菌の活動は抑えられてる。

アルギン酸など水溶性食物繊維はオリゴ糖などと同じように、善玉菌の餌になる。実はオリゴ糖自身も水溶性食物繊維の一種であると言われている。

したがって、食物繊維をたっぷりとることは腸内細菌のバランスを整え、腸のはたらきをよくする効果がある。

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